生まれた意味などなかった。
詞:まふまふ
曲:まふまふ
歌:まふまふ
『神楽色アーティファクト』収録
厚紙の箱に捨てられた 命ならば値打ちはないか?
バス停 待合に渦巻く 見て見ぬふりの雑踏
書き損じはどうしようもないが それに勝る反吐が出ないか?
その行方は今日日じゃ 誰も知らない
母の手を零れた 小さな命は
後部座席に勝る価値もない
何者にもなれる命で
救えるものひとつもないのだ
これほどに器用な手先で
救えるものひとつもないのだ 僕たちは
底知れた愚鈍な世界だ 書き物に筆を取れども
ぶちまけたインクのそれが ひどく適切ではないか?
死にたいかと言われりゃ 特に死ぬほどの孤独でもないが
生きたいか問われたら 何も言えない
虚しさに適した表情はどれだ
書き始めの言葉は
『生まれた意味などなかった。』
先見えぬ小説を読めば
捲り終えぬ世界があるのか?
振り向けば崩れる足場で
明日から何処へ向かうのだろう 僕たちは
アンノウン
「私は誰だ」 「貴方は誰だ」
アンノウン
消しては書いて 丸め捨てては
アンノウン
自分ひとつが未だ書けない
生まれた意味などないのか?
生まれた意味などないのか?
―――生まれた意味などないのだ。
事切れぬものなんてないのに
救えるものひとつもないのに
この命に意味などないのに
優しい明日なんてないのに
行かなくちゃ たとえ死に向かって歩いていたって
書かなくちゃ 当然余白も残っちゃいないが
知らなくちゃ 明日を この途方もない暗晦を
生きなくちゃ 生きなくちゃ
生きなくちゃいけない
2019/11/27
2019/11/20
『自分ではない誰かの手で幸せになるくらいなら、いっそ不幸であって欲しい。』
『不幸せになどなって欲しくない。
いつも穏やかに、笑っていて欲しい。時々、怒ったり、拗ねたり、呆れたりして。
そもそも、こんなことになる以前から、彼女の幸せを誰よりも強く願っていた。
しかし――
自分ではない誰かの手で幸せになるくらいなら、いっそ不幸であって欲しい。
そんなことを思ってはならないというのに、
じくじくと痛む胸の奥には醜い望みがあった。
汚らしく、暗い願いを消すことが出来なかった。』
-- 王女様に婚約を破棄されましたが、おかげさまで幸せです。「25いっそ不幸であって欲しい<ハロルド>」
いつも穏やかに、笑っていて欲しい。時々、怒ったり、拗ねたり、呆れたりして。
そもそも、こんなことになる以前から、彼女の幸せを誰よりも強く願っていた。
しかし――
自分ではない誰かの手で幸せになるくらいなら、いっそ不幸であって欲しい。
そんなことを思ってはならないというのに、
じくじくと痛む胸の奥には醜い望みがあった。
汚らしく、暗い願いを消すことが出来なかった。』
-- 王女様に婚約を破棄されましたが、おかげさまで幸せです。「25いっそ不幸であって欲しい<ハロルド>」
2019/11/17
『あの頃に戻れたら良いのに。』
『心から今、思う。
あの頃に戻れたら良いのに。そうすればこんなに思い煩うことも無かっただろうに。
それでも、あの平和な頃に戻ることなど出来ない。
ならばもう、足掻けるだけ足掻くしかなかった。』
-- 婚約破棄の行方「8」
あの頃に戻れたら良いのに。そうすればこんなに思い煩うことも無かっただろうに。
それでも、あの平和な頃に戻ることなど出来ない。
ならばもう、足掻けるだけ足掻くしかなかった。』
-- 婚約破棄の行方「8」
『幸せだった過去を投影しては、惨めな今の自分を比べて、嘆いていた。』
『ずっと好きな人と一緒に居られると思ってた。
おとぎ話に出てくるお姫様みたいになれるんだと疑っていなかった。
それなのに、ある日突然その世界は壊れた。
夢のような泡沫の世界で私は独りで溺れていた。
幸せだった過去を投影しては、惨めな今の自分を比べて、嘆いていた。』
-- 嫌われ令嬢の余生「第1章」
おとぎ話に出てくるお姫様みたいになれるんだと疑っていなかった。
それなのに、ある日突然その世界は壊れた。
夢のような泡沫の世界で私は独りで溺れていた。
幸せだった過去を投影しては、惨めな今の自分を比べて、嘆いていた。』
-- 嫌われ令嬢の余生「第1章」
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