2018/9/12

【歌詞】鏡の中の告別式 / 実験台モルモット

鏡の中の告別式

詞:谷琢磨

曲:あいあい
編曲:あいあい
歌:実験台モルモット
『見開キ こころ 断面図』収録


虚飾されたガラス眼球 仮綴の前髪
三面鏡を開き 天鵞絨の丸椅子に座る
どこまでいったって私私私私私私...
無言の行列 みんなみんな泣いてる
合わせ鏡の中の告別式

安からに眠る蒼白い容れ物に

参列者は次々と白粉を塗る
消息を絶った心で完璧に仕立て上げても
重ねれば重ねるほど 崩れてく

一病...二病...三病... 時計は蝕んでゆく

銀紙に包んで捨てた誤飲した期待
誰の瞳を覗き込んでも
映るのは罅割れた私
合わせ鏡の中の告別式

鏡に映った蒼白い容れ物は

参列者に手を引かれて向こう側へ
調律の狂った心 副葬品は餞の詩
出棺のベルはまだ聞こえない

隣に映る私が不謹慎に笑う

その先に映る不自然に綺麗な私
その奥で蠢く助けを求める影
無限の世界 何番目の自分を信じるの?

唇を破って出た血でひいた紅

頬は針を無数に刺し赫く染めて
瞼を千切って吊り上げてもっと目を大きく
とこまでも続く死化粧

嗚呼 鏡の棺に入った私に

花束を置く参列者もみんな私
消息を絶った心は今もまだ帰ってこない
探しても探しても
見つからない

けたたましく叫ぶ時計 散らかった化粧箱

胸苦しいカーテンの向こう 子供たちの笑い声
鏡を閉じ私は今日も出棺する
見れた顔じゃない 下手な涙化粧で